ヒトの歯
ヒトの歯は、歯肉より表面に出ている部分(歯冠)と歯茎に埋まっている部分(歯根)の上下二段の構造を持っており、それぞれ、およそ3層の構造になっています。
一番内側には歯髄腔という空洞があり、歯髄という骨髄のような物質が存在しています。歯髄には、神経と血管が通っており、象牙質を生みだしたり、痛みを感じたり、歯への栄養を補給したり、免疫による防御反応を担当したりしています。「歯の神経を抜く」と言う場合、この歯髄を除去することを意味します。
歯の二層目は、象牙質で出来ています。象牙質は約70%がハイドロキシアパタイトを主とする無機質、20%がコラーゲン繊維などのタンパク質、10%が水分です。モース硬度5~6に相当し、ナイフの刃と同じくらいの硬さを持っています。
歯根部の最も外側はセメント質で、約60%がハイドロキシアパタイトを主とする無機質、25%がタンパク質等の有機物、15%が水分でできています。